語学の勉強

Dscn1739
次に、3月半ばにIFDPに応募書類を出し、3月末に合格通知を受け取ってからこれまでの準備について、軽く振り返っておきたいと思います。

以前にグロービスにおられた加瀬公夫先生がIFDPのディレクターであるハビエル・サントマ教授ともお知り合いだということでお話もしていただいていたので、(人脈で物事が動くスペイン的発想からすれば)まず落ちることはないだろう・・・とは思っていたのですが、それでも「絶対落ちない」とまでは言い切れない(何しろ、本人がパンフレットに書いてあるコース応募資格をほとんど満たしていなかった(笑)ので)ため、合格通知を受け取るまでは本格的な準備に取りかかれませんでした。

3月末に合格通知を受けて、4月から始めたのがスペイン語と英語の勉強です。

IFDPはすべて英語で実施されることになっていますが、IESEはそもそもスペインの学校ですし、MBAコースも半分はスペイン語でも行われています。コースに参加する教授も中南米スペイン語圏のビジネススクールから来る人が多いのではないか。そういう人たちが集まっていれば、講義は英語だったとしても教室を1歩出れば会話はスペイン語だろう。まったく分からないと日常で疎外感を感じてしまうに違いない・・・と考えたのが、直前で付け焼き刃でも良いからスペイン語をやっておこうと思った理由でした(実は、学生時代にフランスに長期旅行したとき、周囲に英語で話しかけても誰も英語で答えてくれなかったという原体験があったからかもしれません)。

スペイン語については、日本スペイン協会(Casa de España)というところの集中速習クラスを2ヶ月受講することにしました。1週間に4回(午前中2時間)というハードなコースですが、日本人の講師とネイティブの講師による交互のレクチャー&会話練習がいっぺんに受けられて、しかも1ヶ月14回(28時間)でたったの34,000円という超絶割安なレッスンです。僕は生まれて初めてスペイン語を習ったのですが、講師陣は2人ともとても熱心で丁寧に教えてくれる女性で、楽しい雰囲気のクラスでとりあえず超基礎的な日常会話とスペイン語の文法の基本は頭に入ったので良かったと思いました。あとは現地で気合いでコミュニケーションするだけです(笑)。

一方、英語については4月半ばから週に2日、午後に1回1時間半のプライベートレッスンを英会話学校に頼みました。内容を教育と経営の領域に限定し、約1ヶ月、12回のレッスンで必要なイディオムとライティング・スピーキング・リーディングの3領域のスキルのブラッシュアップをするというものです。練習期間が1ヶ月しかないので、サバイバル英語でも何でもいいけれど、とっさに言いたい言葉や表現が英語で出てこないという事態をなるべく避けられるようにするというのを、レッスンの狙いとしました。留学先が欧州ということで、英会話学校はAmericanではなくBritish Englishに強いと言われるシェーン・ランゲージ・サービスを選択しました。あてがってもらった講師は3人でしたが、それぞれ異なるバックグラウンドを持ち(それぞれ異なった分野でのアカデミックな素養もあり)、いずれもこちらの要求をよく聞いてレッスンを進めてくれました。12回の合計金額は講師の交通費を含めて20万円ちょいでした。結果としては、ライティングなどの部分でBritish Englishのクセみたいなものを少し実感できたのと、想定していた領域の話題について英語でしゃべることに対する気後れがかなり解消できたので、効果はそれなりにあったかなと思っています。

それにしても、週4日、朝は信濃町に通い、午後は週2日英語のレッスン・・・という生活は、かなり大変ではありましたが、グロービス入社以来久しぶりに「がっつり勉強したなあ」という感じです。自分が教えているのにこういうことを言うのも何ですが、やっぱり勉強するのは楽しいですね。

スペイン語は、もともと大学時代の第2外国語がフランス語だったこともあり、ラテン系の言語に対する土地勘がなかったわけではありませんが、やはり未知の国の言語構造や歴史、社会背景などを知るといろいろと新しい発見があります。フランス語はフランス以外の国でほとんど使うことがありませんから、ビジネスの現場では哲学などの知識をひけらかす時以外はあまり役に立ちません(笑)が、スペイン語はメキシコ以南の中南米の共通言語ですし、米国でもスペイン語しか通じないヒスパニック系の人口比率が、南部の諸州を中心に拡大しています(HBSのケースを見ていると、「スペイン語バージョン」と書かれたケースがやたら多く目につきます)。

たった2ヶ月習ったからといって、僕のスペイン語はビジネスに使えるほどのレベルには到底達してはいないんですが、グローバルにビジネスを見ていくという場合、英語はもちろんですが、中国語やスペイン語といった「第2グローバル言語」も、今後は結構重要になるのではないか・・・といったことを、語学学習を通じて感じた次第です。