IESEの日本人留学生と食事

IESEの留学生と食事昨夜は、加瀬先生に紹介されたIESEの日本人留学生の方々と、夕食をご一緒してきました。1年生(ちょうど5月末に1年目が終わって、今は夏休みとのこと)の5名と、留学生の方の知り合い1名、そして入試を受けに来た1名に僕という、合計8名でした。

教えてもらったレストランを事前にネットで検索したら、何とぐるなびのページが見つかり(笑)、「海外もぐるなびで探すのか〜スペイン語要らないじゃん」とか思いつつふとドレスコードを見ると…何と「セミ・フォーマル」と書いてあるじゃありませんか!慌ててスーツに着替えてネクタイを締めて(スーツでも本当はセミフォーマル(準礼装)じゃないんですが)行ったら、他の皆さんは超ラフな格好をしていて、「毎日スーツで通われるんですか?」とか学生さんに質問されたりして、密かにがっかりでした。バルセロナはリゾート地だから、旧市街のど真ん中のレストランでも服装は適当でOKなんですね…。

荒木さんと平井さんのLBS学生インタビューのように、「今日は皆さんにインタビューを」とかあらかじめ断っていたわけでもないので、2時間半ほど学生さんたちの四方山話に付き合って、ときどきそれとなーく話を振るみたいな感じで会話していたのですが、ちょっと驚いたのは天下のIESEの学生の「内的動機の低さ」です。

【「MBA留学はご褒美」という企業派遣生も・・・】

参加してくれた1年生5名のうち、3名が金融機関からの会社派遣。1名が(どこだか聞き忘れましたが)一般事業会社からの会社派遣、もう1名が広告会社から自費での留学とのことでした。で、「なんで留学したの?」とかずばっと聞くのも聞きにくいなーと思っていたら、留学生が連れてきたバルセロナに遊びに来ているというお友だちのマリさんという女性が、「Stupid Questionかも知れないんですけど、MBAって何のために取るんですか?」と、いきなり核心に切り込む質問(笑)。心の中で「ありがとう!マリさん!」と叫びつつ、皆さんの答えに耳をすまします。

しかしその返事はかなり意外でした。「会社が留学させてくれるから」、「MBAに来て何をっていうよりも、仕事を頑張ればご褒美にMBA留学させてやるよって言われたので頑張った」、「MBA取って帰れば多少社内でのキャリアの選択肢が広がるかなって感じですかね。IB(投資銀行)部門に行きたい人とかはMBA取ったほうが行きやすいし」などなど、照れ隠しとも思えないぐらいずばずばと身も蓋もない答えが。自費で来ている女性も、「気分転換ですかね…親がお金出してくれたので」と、なんか微妙なセリフです。

「でも、最近のIESEの学費なんかハーバードより高いじゃん?会社が払ってるのかも知れないけど、それなりのものは持って帰らないとじゃないの?」と聞いてみると、「いやあ、正直言ってIESEの授業にはちょっと失望していますよ。この1年間で何を教えてもらったのか、さっぱり分からない。あんなに高い学費取って、そのうちいつか化けの皮が剥がれるんじゃないかと心配したくなります」とか言い出す学生まで(笑)。えー、留学させてもらってるのにそれはないだろう…とか思ったりしましたが、皆さんバルセロナ生活は楽しんでいるものの、MBAを取る意味みたいなことについては、これじゃあグロービスの学生たちのほうがずっと意識が高いなと思ってしまいました。

荒木さんのレポートにあったLBSと違って、IESEの場合は欧米での知名度は非常に高いものの、アジアにおいてはまったく存在感がありません。日本のアルムナイも活動がなかなか盛り上がらないことや、転職機会などもゼロから自分で探さなければならないというハンディを負っています。そういう点も、日本人学生から不満が漏れる一因になっているのかな、と思ったりしました。アルムナイ活動に対するサポートやキャリアサービスは、満足度を高めるうえで本当に大事ですね。

とはいえ、やはりこうした欧米のBSでの「日本への関心の低さ」は何とかしなければならないと皆思っているようで、野村證券から来ている留学生を中心に、今年8月にJapan Tourを企画しようか、という話が出ていました。こういう自発性は、やはりMBAならではでしょうか。

他にも、どの教授の教え方が良いとか悪いとか、学生の目から見た授業評価みたいなものもいろいろと聞いたのですが、この部分に関しては稿を改めて、他の話と一緒にご紹介したいと思います。