IESEの日本人留学生たちと食事


週明け早々の月曜日の夜、IESEのMBAコースに来ている日本人学生の方たちと夕食をしに行きました。バルセロナ中心部の、日本人には人気のある「Restaurant Pitarra」というカタルーニャ料理のお店です。って、何とバルセロナのお店なのに、ぐるなびのリンクがあるんですよ!ぐるなびってレストランの広告料で成り立ってるサイトなので、ちゃんと日本人向けに広告出しているレストランがバルセロナにもあるってことなんですね。びっくり。

それはともかく、6月に入ってからというもの、まともな食事というのはIESEでのランチぐらいで、朝食は毎日ホテルでパンとハムとチーズとジュースとコーヒー、夜は自分の部屋で英語のケースを読みながら近くのスーパーで買ってきたパンと野菜を適当にジュースやインスタントコーヒーで腹に流し込む生活を続けていたので、カジュアルだけどしっかりとボリュームのあるカタルーニャ料理はとてもおいしかったです。
日本人向けに広告を出しているお店だけあって、僕が入店した時には日本人のグループがIESEの学生の方々以外にもう1グループいました。店内に2グループも日本人がいたので、入店した瞬間に会釈をしてしまって、変な奴と思われたかも。とほほ。

料理は、普通はパエリャなど米のメニューは前菜扱いで、肉のメニューを一番最後にするのがこちらのマナーですが、日本人相手に広告を出しているレストランだけあって、バレンシア風パエリャを最後に、アヒルのもも肉のローストを前菜の後に出してくれました。前菜は海老とアスパラガスの鉄板焼き、マスカルポーネ、ラム肉乗せオムレツの3つのオードブルと、ピンチョス・フリートス(ホタルイカの揚げ物)、海老のカルパッチョでした。どれもカタルーニャ料理の定番で、とても美味。

デザートの後にタラゴナ産の青リンゴのリキュール「シュナップス・マンサナ・ヴェルデ」を食後酒に頂きました。20度以上の結構強いお酒なのですが、さわやかな味わいのため、小さな食後酒用のグラスに何杯も飲めてしまいます。やばいやばい。そんなこんなでお腹いっぱいになって、お値段は1人45ユーロでした。

料理の話はさておき、学生さんの話を少し。今年の1年生に日本人は5名で、ここ最近8名ぐらいが続いていたことを考えるとちょっと少なめ。でも今年9月からの入学者は11名もいるそうで、1学年に40カ国以上から210人の学生が集まるIESEの多様性から考えれば、日本からの学生はIESEの中でそれなりに大きなポジションを占めていると言えると思います。

ちょうどバルセロナに遊びに来ている学生の方のお友達や、9月からの入学を目指して試験をわざわざスペインまで受けに来た方も混じって(通常、面接はその国のアルムナイが行い、アドミッション事務局にレポートをあげることになっているので、欧州在住ならまだしも、アジアから面接のためにバルセロナまで来る人は珍しい)、いろいろな話に花が咲きました。アルコールが回ったので何を話したのかあまり覚えてないのですが(笑)、学生の皆さんが盛り上がっているのを聞いている時間が長かったかなと思います。

印象的だったのは、「1年間英語でグループ、クラスで延々議論したのに、ちっとも英語がうまくなった気がしない」と言う人がいたこと。1ヶ月しかいない僕が英語についてあれこれ言うのもおこがましいと思っていたのですが、1年いる学生さんでも同じことを思うのかと思い、自分の英語能力の低さに対する慰めをもらったような気がしました。

他のビジネススクール同様、IESEも卒業生のキャリアサービスには専門組織を置いて一生懸命やっているようなのですが、さすがにアジアからの学生の面倒までは見きれないようで、(企業派遣の学生は戻るところがあるので問題ないのですが)個人で来ている人は結構就職に苦労するという話を聞きました。この日も学生の方から「日本に帰ったら就職先を自分で探さなきゃいけないんですけど、どこが良いですかね?」と相談を受けてしまいました。

でも最近の日本を見ていると、2000年頃に盛り上がった大型の企業再生案件もほとんどなくなり、内部統制(J-SOX)が施行されることでIPOもますます難しくなりと、MBAホルダーにとってもっとも魅力的とされるVCやPEの仕事に就く機会が非常に減っているのが実情かなと思います。日本企業が海外進出のためのキーパーソンとしてIESEのような国際色豊かなビジネススクールの卒業生を採用するようになれば、もっと世界の中で日本の魅力が増すと思うのですが、そのあたりは実際のところなかなか難しいのかもしれませんね。残念なことです。