モンセラット登山

6月24日の「聖ヨハネの日」は祝日で、街は店も軒並み休業となりひっそり静まりかえっていましたが、プログラム・ディレクターのサントマ教授(登山が趣味)のご厚意で、モンセラット(Montserrat)という、バルセロナから1時間ぐらいの岩山のある観光地にエクスカーションに出かけることになりました。

普通、モンセラットは鉄道やバスでモンセラットの麓まで行き、登山列車やロープウェイで登るのですが、趣味が登山の教授の引率だけあってそれで済むわけはありません。エクスカーションの参加希望アンケートには「by Bus」と並んで「on foot」の項が。20〜30台の若い参加者を中心に、10人余りがバスツアーではなくハイキングの方に参加することになりました。僕ももちろんハイキング組です。
朝8時にホテル前に集合。祝日なので8時からのホテルの朝ご飯が食べられません。とりあえず冷蔵庫の中に残っていたヨーグルト1つをかき込んでからバスに飛び乗ります。登山列車の駅に行く前に、バスは人影のない村の外れに停車。ここで教授とハイキング組は降りて、モンセラット登山を目指します。

上の写真は、出発地点の画像。村から歩いて10分ぐらいで道標が立っているところに着き、教授が「ここが出発点だ」。もう出発したと思っていたみんなはずっこけます(笑)。それからオリーブ畑の中をくねくねと登っていくと、結構ラクチンに奇岩の続く山の中腹にたどり着きました。みんなでバカ話をしながらワイワイ登っていきます。途中、2組ぐらい登山客とすれ違いましたが、自然に「オラー」のあいさつ。山に登って人とすれ違ったらあいさつするのは、世界共通のマナーなんですね(←今ごろ知った。だって海外の山はこれが初めてなので)。

モンセラットは、9世紀頃から修道院があったと言われ、フランコ独裁政権の弾圧時にもここだけはカタルーニャ語でミサが行われていたという、カタルーニャの人たちの心のよりどころとなる聖地です。なので、登山道のそこかしこにもそうしたカタルーニャを示す彫刻があったり、ご覧のように岩肌にペンキでカタルーニャの旗が描かれていたりと、民族の誇りが強く感じられる山です。

9時過ぎから11時半まで2時間半ばかり歩きましたが、岩の割れ目に沿って道が造られており、上りも下りも地層の傾きに沿ったものなので、ずっと緩やか。とても楽なハイキングでした。個人的には、一番高いところあたりまで行くのかとワクワクしていたのですが(笑)、残念ながらそこまではいかず、サン・ミケルという小さな祠のあるところまで山の中腹をぐるっと回って終わりでした。

そのサン・ミケルの祠から見た、モンセラット修道院。こんな峻険な山の中腹にどうやってあんな修道院を…と思うぐらい、すごいところに立っています。山道から下を眺めると、絶壁のはるか下の方に茶色く濁った川が。高所恐怖症の人にはあまりお勧めしません。

修道院の由来などを説明してくれるサントマ教授。疲れてはいないものの、朝飯抜きだったのでお腹がぺこぺこ。慌ててバールに駆け込んでサンドイッチをほおばりました。その後30分ちょっと、修道院のバシリカや美術館などを思い思いに見学してから、バス組と合流して登山列車で下山。ホテルに帰ってきたのは昼の2時過ぎと、シエスタにはちょうど良い時間でした(笑)。皆さん、お疲れ様でした。